「暁天坐禅会vol.35」(静岡市) | 宗教法人 一乗寺
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「暁天坐禅会vol.35」(静岡市)
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2017.11.15
「暁天坐禅会vol.35」(静岡市)
★暁天(ぎょうてん)とは、明け方の空という意味で、 暁天坐禅(きょうてんざぜん)とは、早朝に行う坐禅のことです。
第35回坐禅会(参加者:8名)
10・11月のお寺は、‟お盆”や‟年末年始”とまた違
い、特別な行持が続きます。
先般、市内の曹洞宗寺院にて「晋山式(しんさんしき)」
がありました。これは、新たに住職となる新命和尚のいわ
ば「襲名披露の儀」で、一世一代の大法要です。私自身、
数年後にこの儀式を控えているということもあり、(お手
伝いをしながら)準備の仕方や流れをつぶさに見学させて
いただきました。
近隣・懇意のお坊さんはもちろん、地域の方が一体となって
支えている姿がとても印象的でした。さて、この晋山式の中で「法戦式(ほっせんしき)」とい
う法要がございます。新命和尚のお弟子として首座和尚(
しゅそおしょう)が任命され、開口大声の禅問答が繰り広
げられます。ここには、必ず仏法のテーマがあるわけです
が、よく掲げられるのが『従容録(しょうようろく)・第
二章:廓然無聖(かくねんむしょう)』という命題です。
この「廓然無聖」という言葉は、禅宗に於いてとても有名
であり、大切な言葉です。この言葉は、禅を伝えた達磨大
師(だるまだいし)がインドから中国にやって来た時、梁
(りょう:古代中国の一国)を治めていた武帝(ぶてい)
という王様と交わした問答の中に出てきます。★《前段》『景徳伝灯録』
武帝「私は即位以来、寺を造り写経し僧を育ててきた。ど
んな功徳があるか」
達磨「無功徳。(※功徳などありません)」
武帝「なぜないのか」
達磨「それらはただ人間界、天上界の小さな果報であり、
煩悩の原因となるだけである。形があるものには影がある
ようなもので、功徳があるように見えても、それは真実の
ものではない」
武帝「ならば真の功徳とはどんなものか」
達磨「この世では求めることができません。(※みなとも
に仏と同じ淨らかな智慧(仏性)がそなわっているから、
もとより空寂である。だからこのような功徳は、人間の意
識で分別する問題でない)」★
《本則》『従容録』「第二則・達磨廓然」
挙(こ)す、梁の武帝、達磨大師に問う、如何(いか)な
るか是れ聖諦第一義(しょうたいだいいちぎ)。
磨云く、廓然無聖(かくねんむしょう)。
帝云く、朕(ちん)に対する者は誰そ。
磨云く、不識(ふしき)。
帝契わず。
遂に江を渡り、少林に至って面壁(めんぺき)九年。
[意訳]
武帝「仏教の真理の根本は何か(一体全体、仏教の核心と
は何なのか)」
達磨「功徳などありません(※中は何もなく「廓然」すな
わち、からりと晴れた青空のようなもので、聖とか凡の分
別もない)」
武帝「いま現に自分に相対しているあなたは、徳の高い高
僧で聖なる存在ではないのか」
達磨「識にあらず(※(空なる存在であるこの身体を)聖
かどうか、人間の物差しで量ろうとしてもできないことだ
)」
この問答の後、言葉による接化の限界を感じた達磨大師は
揚子江を渡り、少林寺に至って壁観の坐禅を9年の長きに
渡り勤めることになった。
この故事に基づき、曹洞宗の坐禅は壁に向かって坐を組む
「面壁坐禅」となりました。(※写真参照)
★
こうしてみると、資本主義にどっぷりと浸かってしまった
現代人は「梁の武帝」と言えます(私も含め;)。
やはり、挨拶をすれば返してほしいし、働いた分の対価を
求めたい、ややもすると即物的になりがちです。
「坐禅は習禅に非ず」
これは、開祖道元禅師が記した『普勧坐禅儀』の一節です
。
坐禅は、悟るための手段ではない。
理想に近づくための修練ではない。
修証一等。
坐禅そのものが悟りであり、日常の全てを修行として怠る
ことなく生きることを第一義とする我が宗門の考え方です
。
このことを踏まえ、自らを省みますと、、
お寺の告知文でも、「心のモヤモヤを晴らすため」だとか
「日常の呼吸を離れて」だとか、「〇〇のために」という
目的意識ばかりが先行してしまっていたことに気が付きま
した。
分かりやすさを追求するだけでは、本質を見失ってしまう
。。
一方、古徳の教えをどう咀嚼して傳導すべきか。。。(つづく)
以上。
晋山式はじめ、秋口の様々な行持に随喜させていただく中
で、心に浮かんだ雑感をつれづれなるままに (。-`ω-) 〆
🍁
【次回の「坐禅会」は、12月1日(金)あさ5時半〜(
場所:客殿)です。】
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