今からおよそ2500年前―。
人間の王子として生まれ、人生の苦楽にどう向き合えばよいか、どう生きればよいのか…ということについて悩み続けたお釈迦さまは、6年間の苦行を断ち、静かなる瞑想の末、尼連禅河(にれんぜんが)のほとり、菩提樹(ぼだいじゅ)の下 で「お悟り」を開かれ、仏陀(覚者)となられました。(降魔成道
)
時は12月8日、
明の明星が輝く冬の早朝、釈尊35歳の時でした
毎年この時期に行われる成道会は、お釈迦さまがお悟りを開いたことを記念し、報恩感謝を捧げる法要です。
一、本尊上供
一、梅花流詠賛歌 奉詠
一、法話(ワークショップ)
本年は、法話の代わりにワークショップを行いました。
折しも、この前日。。
静岡県某所にて「グリーフケア」の講習会に参加してきました。
※グリーフとは、(死別などによる)深い悲しみや悲嘆、苦悩のこと。
また、これらをはじめとするさまざまな心の動き。
※グリーフケアとは、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援すること。
《※グリーフケアの定義は、まだ専門家の間でも定まっていないそうですが、一つの定義として「重要な他者を喪失した人、あるいはこれから喪失する人に対し、喪失から回復するための喪(悲哀)の過程を促進し、喪失により生じるさまざまな問題を軽減するために行われる援助」というものがあります。》
★今回は、そこで学び得た「グリーフカラー」という、折り紙を用いたワークを実践しました。
※対象者は、法要に参加された梅花講の皆さま(およそ20名)です。
◎まず、お手元に「手のひらサイズの白い画用紙」をお配りします。
◎そして、失った大切な方のことを想います。
◎心に浮かんだその方の印象を、折り紙をちぎって自由に表現します。(※ 色や形すべて抽象的で構いません)
◎ちぎった折り紙を、白い紙の上に貼り付けます。
◎そうして出来た一枚の絵を、となりの方にお話しします。
もちろん、お心に触れる題材ですので、どうぞご無理なく、
差し障りのある範囲でお話しください、と予め申し上げご参加いただきました。
結果は、、
笑顔アリ涙アリの感慨深いひとときとなりました。
長年、この会に携わっていただいている古参の講員さんは、先に逝かれたご主人様のことをお話ししてくださいました。
参加者の多くの方が、「普段と一味違って、良い体験をさせていただきました。」と、おっしゃってくださったのは何よりのお言葉でした。
人それぞれのストーリーがあり、歩むスピードも様々ですが、
自分の心を表現したり、誰かの話にじっと耳を傾けるということは、ときに大切なことなのかもしれません。
(↑「たなびく紫の雲」・・・はじめに頭に浮かんだ、亡き師匠のイメージです。)
グリーフケアに関しましては私自身、以前より深く学びたいと思っており、まだまだ分からないところが多いので、
来年より、本格的に勉強していこうと考えております
お釈迦さまが悟りを開かれた35の歳まで、あと2年―。
比べるのもおこがましく、憚られることですが、、
若輩の禅僧として、「いま、何ができるか」自問自答しながら、より多くのことを学んでいきたいと思います。
▼『成道会とは?』
http://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/annual/jodoe