その他
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1日早朝、蝉も眠る時間から坐禅堂の扉を開け、参禅者をお待ちしておりますと…
一人また一人と門をくぐってこられ、あっという間に14名の方がお集まりになりました。
その内の御一方は初めて参加してくださった男性で、お仕事前のご多用にもかかわらずご来山されました。
道心に感服いたしますとともに、会場主としても大変励みになる次第です
さて、関東甲信は6月6日から梅雨入りして、本格的な雨の季節を迎えました。
ところが、梅雨入りした6日から月末までの降水量を調べると、平年よりも少ないというデータが報告されています。
気象庁は27日、関東甲信地方と東海地方、九州南部が「梅雨明けした」とみられると発表しました。
いずれも梅雨の期間は過去最短だということで、いわゆる「空梅雨」と言えそうです。
こうなると、すぐにやってくるのが「猛暑」と「ゲリラ豪雨」です。
すでに、6月末の時点で真夏日のような気温を観測しており前倒しで夏が来たようです。
私も体感として昼間は頭が焼けるような日もありますが、、早朝はまだ過ごしやすく静かに坐禅を組みました。
それでも坐禅をはじめた時刻からすると、解散する7時頃の気温はやや上がっているように感じました
坐禅後の茶話会でも、(高齢者の方が多いので)「節電も大事ですが、しんどい時はクーラーを使いましょう。」とお話ししました。
やはり、身体健全が第一です。
修行も、まず身体を万全にして臨むのが肝要であり、ましてや坐禅は苦しむための「苦行」ではありません。
当山では、現在「坐禅中は、マスクを外していただいても結構です。」とご案内しております。
これは身体を整え、呼吸に集中し、より自分の心とじっくり向き合うためです。
呼吸の際は、はじめ口から大きく息を吐いて、次に新しい空気を鼻から吸います。
この深い呼吸を2~3回続けて行い、安定しましたら通常の呼吸に戻します。
人間の身体は、よくできていて「鼻からの呼吸は、脳の冷却作用」の役割もあります。
脳は、約20Wの熱を産生すると言われています。それを毎分5リットルの血流によって放熱されているとされています。
なぜこのような人体機能があるかといえば、脳の温度が40・5℃を超えると、脳を構成するたんぱく質が変異してしまい機能障害を起こす可能性があるからです。
鼻腔の奥には、脳と繋がっている毛細血管がたくさん通っていて、鼻呼吸をして少しでも冷たい空気を通過させることによって、脳を冷やすことができます。
よく『口呼吸してはいけない』と言われるのは、鼻による脳の冷却がうまくできなくなるからです。
今夏も、新型コロナのためにマスクをつけたまま過ごす人が多くなるかと思います。
「マスクをしていると(温かい吐息を再び吸うことになり)、脳の冷却がうまくいかなくなる恐れがある」という事象を少し念頭に置き、
自然の中や人混み以外では、マスクを外して新鮮な空気を取り入れましょう。
深い呼吸のやり方を忘れてしまった方は、ぜひ坐禅をお勧めします
《補足》
・私は、マスク反対!と声をあげているわけではありません。
例年に比べインフルエンザの発症が低下していることなどから、マスクを装着することに一定の効果があると信じております。
・パンツを履くことが常識になっているように、今はマスクをつけることが世の中のルールになっています。
予めルールが提示されている場所で自己主張するのはナンセンスだと思いますので、その場その場の施設のガイドラインに従うことが大切だと思います。
・一方、会場側の責任としてはその「ガイドラインを明確に説明すること」が大事だと考えております。
私共のお寺では、屋外あるいは坐禅(黙とう)の際はマスクを外していただいて構いませんが、法要参列時はマスク着用を奨励しております。
※ただし、神経過敏や身体的に着用が困難な方は、この限りではありません。
・(話は変わりますが)関東は、エスカレーターに乗る際「左側」に立ち右を空け、関西は「右側」に立ち左を空ける、といった地方ルールがあります。
これも、誰かから教わったわけではなく何となく習慣として引き継がれているのが実態だと思います。
何が言いたいのかと申しますと・・・
ガイドラインは、あくまでもガイドですので…明確なルールが存在しない場合は、自分の頭で状況を把握し「考える」ことが肝要だと思います。
関東のエスカレーターに乗った際、たとえ前の人が右側にいても前後の様子や危険性を考慮し是々非々で対応することがベターだと思います。
マスクも「炎天下では外す」ということを、一考してみてはいかがでしょうか。というお話しでした
【次回の「月例坐禅会」は、8月1日(月)あさ5時半~/予約不要・参加無料です。】
※坐禅堂が会場の場合でも、イス坐禅に対応しております。