第39回坐禅会(参加者:6名)
寒い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょ
うか
今日から2月に入りました。
2月のことを別名、『如月(きさらぎ)』といいます。
これは生活から生まれた言葉だそうで、、
「一枚着ているだけでは寒いので、更に重ねて着る」こと
から『着更着(きさらぎ)』とする説が有力で、
ほかにも、
「気候が陽気になる季節」で、『気更来(きさらぎ)』『
息更来(きさらぎ)』とする説や、
「草木が生えはじめる月」で、『生更木(きさらぎ)』と
する説などがあります
いずれにせよ、
先人の季節感には学ぶべきことが多く、その感受性の豊か
さにただただ感服します。
と同時に、我われ現代人は、この“豊かさ”という言葉を
どうとらえているか。という点に立ち戻る必要があるかと
思います。
昔に比べ、物や情報が増え…ある面では豊かになったと言
えます。
しかしながら、果たして今私たちはそのことに日々満足し
感謝しているでしょうか。
物質面での豊かさ・快適さが先行し、どこか「生きにくさ
」や「欲求不満」といった感情が時折顔を出してはいない
でしょうか。
あるいは、この日本という島独自の気候から成る「素晴ら
しい季節感」や「美しい感受性」そのものを忘れかけては
いないでしょうか。。
例えば、「暖房機の発達」ということに着目します。
以前は、木炭で火おこしをしていた囲炉裏から → 灯油
のストーブ → 電気(+水)のファンヒーター・エアコ
ンなど、日々進化しています。
(※もちろん、家電業界に従事している方を否定するもの
ではありません。)
日進月歩の技術者の方の絶え間ない御労苦により、我われ
は快適な生活を甘受させていただいております。
ただ、そのことが当たり前になってしまうと…その代償と
して大切なことをひとつ失ってしまう気がします。
それは、例えば「肌の感受性」というもの。
これを失うということはつまり、「‟冬は寒い”というこ
とを忘れてしまう」ということ。
建物の中は常に温かく快適ですが、一歩外に出たら極寒
という場面はよくあります。
その急激な温度差から、心筋梗塞やいわゆる「ヒートショ
ック」と呼ばれる体への負担が多数報告されています。
このように、肌の感受性がぼぅーっとしてしまうと、冬は
寒い → 自然は厳しいということさえ忘れてしまいます
。
「肌の感受性」が、「心の感受性」に全く影響を与えない
のでしょうか?
→ 身体と心は密接なので、影響が出ないはずがありませ
ん。
「冬は寒い」「夏は暑い」という当たり前のことを、曹洞
宗の開祖道元禅師は、このような和歌に認めました。
『春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷(すず)しかりけり』
これは、「本来の面目」(※本来具えている真実のすがた
)という題目として詠まれた一句ですが、まさに自然体そ
のものを体現している名句だと思います。
日本という国は、マイナス30℃という寒帯の気候から、
最高気温40℃という熱帯の気候まで幅広く経験します。
小さな島国でありながら、偉大なる自然を懐広く受け入れ
ています。
また、厳しい季節があるからこそ、春や秋の有難みを感じ
ることが出来ます。
ですから、そこに住む我われにもその懐の大きさや「美し
い感受性」が、きっと今でも備わっていると信じています
。
冬は、まだまだこれからが本番!
たまには、朝一番の空気を身体に取り込んでみるのも良い
かもしれません(∩´∀`)∩ <
【次回の「坐禅会」は、新年2月15日(木)あさ5時半
~(場所:客殿)参加無料です。】
また、15日
午後3時〜
『おはなしの会』を開催します。
▼
「仏教全般に関すること」、「普段、気になっていること
」や「お悩み相談」など、さまざまなテーマに沿ってお話
をしていきたいと思います
※参加無料・予約不要にて
どなたでもご参加いただけますので、
興味のある方は是非お越しください。
(*´꒳`*)